日融雪水量・なだれ危険度・積雪荷重の解析結果

令和3年/2021年(R2.12~R3.3)

積雪地域では、なだれ・積雪荷重による家屋の破損・倒壊や融雪水による地すべり・斜面崩壊などの土砂災害の危険があります。
これら災害の危険から身を守るための避難や対処に当たっては、迅速ななだれ・融雪・積雪の情報収集が重要です。
本HPでは、新潟県内の5ヶ所のアメダス観測地点(守門・十日町・湯沢・津南・関山)の毎日のなだれ危険度・日融雪水量・積雪荷重を解析して発信しています。

令和3年/2021年
(R2.12~R3.3)

令和3年3月31日 更新

日融雪水量・なだれ危険度・積雪荷重の解析について

積雪地域では、融雪水による地すべりや斜面崩壊などの土砂災害、雪崩、積雪による家屋の破損や倒壊など雪を起因とする災害が数多く発生しています。中越地震後の被災地では、春先の融雪水による洪水や土石流が心配されました。

これら災害の危険から身を守るための避難や対処にあたっては、迅速な融雪・雪崩・積雪情報の収集が重要です。

本HPでは、新潟県内の7ヶ所のアメダス観測地点(入広瀬、小出、十日町、安塚、湯沢、津南、関山)と山古志地区の毎日の融雪水量と雪崩危険度、積雪荷重を解析して発信しています。

なお、 融雪水量(mm/d)は積雪の底面から地面へ融け出す一日の水量です。

雪崩危険度は、斜面傾斜角30°の表層雪崩と全層雪崩の安定度で示します。

積雪荷重(kg/m2)は面積1m2当たりの積雪の重量です。

入力データはアメダスデータ(日降水量、日平均気温、日最高気温、日最低気温)を使用しています。山古志地区においては、毎日の気象データの収集が不可能であるため過去の8年間の旧山古志役場の観測データと入広瀬アメダスデータとの相関を求め、入広瀬アメダスデータから山古志の降水量と気温を推定して解析を行っています。

融雪・雪崩・積雪の危険評価の目安としては、融雪水量が1日70~80mmに達すると地すべりや斜面崩壊の発生の危険度が大きくなります。雪崩安定度(SI)が1.5以下になると雪崩の発生する危険性が大きくなると言われています。木造家屋では積雪荷重が1m2当たり200~300kgになると屋根の除雪が必要になります。

なお、融雪・雪崩・積雪解析は早川の融雪モデル1),2),3)による。

積雪のせん断強度算定は山野井・遠藤:「積雪におけるせん断強度の密度および含水率依存」雪氷、V01.64-4を参考とする。

( 技術顧問 早川 嘉一 )

[参考文献]

  • 1) 早川嘉一:積雪下面から流れ出る融雪水の算定に関する一考察、ハイドロロジー、Vol.24-4,pp.207-219,1994
  • 2) 早川嘉一:積雪地域における地すべり変形と融雪水の関連性に関する研究、学位論文(筑波大学)、pp.1-192,1995 (新潟大学農学部紀要、No33.1996)
  • 3) 早川嘉一:積雪下面から流出する融雪水量の算定、地すべり学会第37回研究発表講演集,pp.139-142,1998
  • 4) 杉山博信・A.C.Whitaker・早川嘉一:積雪融雪特性の違いが森林山地域における水循環特性に与える影響評価農業土木学会論文集、Vol.238,pp.443-450,2005
  • 5) A.C.Whitaker・N.Sugiyama・K.Hayakawa:Effect of Snow Cover Condition on the Hydrologic Regime(Case Study in a Pluvial-Nival Watershed,Japan)Journal of American Water Resourced Association,Vol.44,No.4,pp.814-828,2008

解析結果(過去データ)

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